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心理学から学ぶ 「ブランディングデザインの法則」
2022.12.29
ブランディングデザインの法則 「プライミング効果」
心理学から学ぶ 「ブランディングデザインの法則」
なぜか入りたくなるお店やつい見てしまうポスター、思わず買いたくなる商品など。
心理学から学ぶ「ブランディングデザインの話」を掲載しています。
皆さんこんにちは。ブランディングデザイン会社「株式会社SUPERBALL」です。
ドラマでカレーを美味しそうに食べているシーンがあるとその日はカレーが食べたくなる、なんてことはありませんか。これは「プライミング効果」によるものです。私たちは無意識のうちに先行して受けた刺激からその後の行動に影響を受けているのです。
10回ゲームなどが典型的な例になります。同じ言葉を連続して言った後に、前の言葉に引っ張られてついつい簡単な質問に間違えて回答してしまう、といったことが挙げられます。
他の例も挙げてみます。りんご、バナナ、いちご、と聞いた後に「み◯ん」に当てはまる言葉は何でしょうか。「みかん」と想像してしまうのではないでしょうか。これが醤油、砂糖、お酢、と聞いた後だったらどうでしょう。「みりん」と想像する方が多いと思います。先の言葉から連想して、◯に当てはまる言葉が反射的に思い付くこともプライミング効果の影響になります。
アメリカの実験では被験者グループに「物忘れ」「白髪」「しわ」という高齢者に関連する単語を並べてもらったところ、ニュートラルな単語を並べたグループに比べて歩行速度がゆっくりになったそうです。
ブランディングは初めが肝心?
ここから私の経験談になります。仕事で初対面の方とランチをする機会があり、事前に食べたいものを聞きました。その方は親子丼が食べたいとのことです。理由としては卵が好きだからといいます。それ以来、私は事あるごとに卵料理をおすすめしていたら、しばらくして「すみません、そこまで卵が好きという訳ではないのです」と言われてしまいました…
相手がどんな方かもわからない状態で先行して“卵が好き”という情報のみをキャッチし、私は先走って“ものすごく卵好き”という人物像を作ってしまいました。卵料理を見るとその方を思い出してしまうくらいです。
少々暴走したエピソードではありましたが、ブランディングもこのようにターゲットに印象付けをして、そのブランドに関連する何かに触れた時に真っ先に思い出してもらう状態を作ることが必要だと思います。相手の情報を多く得ていなかったことで、私の頭の中では相手が“卵好き”という印象が強まってしまったように、ブランディングの際は情報を絞って発信することが効果的だと感じました。
プライミング効果について一部お伝えさせていただきました。他にも日常的に影響を受けている事例なども多く、面白いので皆さんも興味があったら調べてみてください。